公的年金制度崩壊の途上

本日、総務省が発表した15歳未満の推計人口。
前年より19万人少ない1694万人で、29年連続の減少とのこと。
(総人口に占める子どもの割合も36年連続の低下)

どうやっても止まらないこの少子化傾向。
加えて、市場の低迷による資産運用利回りの低迷(一時的な上昇はあったが)
および企業の人件費抑制による、昇給率の低下。

どう考えても現在の「世代間相互扶助」のシステムに基づく公的年金制度を維持できるという根拠が思いつかない。。。

私はかつて公的年金および企業年金に関わる仕事に8年間携わっていて、当時の社会保険庁や厚生労働省と制度面における折衝などを行ってきた経験があります。

その経験の中でも常に疑問であったこと。

世代間相互扶助を単純な計算式にすると(あえて単純化して)、

 年金受給者数×給付額=現役人口×給与×保険料率±積立金取崩(又は積増)

受給者は増える一方、現役人口は減る一方、給与は下降、不足分を賄うための積立金の運用益も期待できず。。。という環境下において計算した場合、現状の給付水準と保険料負担を維持し続けるなら、(現役人口増加か、好景気による積立金運用益の増加及給与水準の上昇が起こらない限り)年金積立金は取崩され続ける一方で、一定期間で底をつくことが簡単に予測できます。

というわけでこの仕組を維持する限りは、給付の切り下げ、保険料率の引き上げが必要になりますし、それが無理なら積立金が枯渇した時点で「世代間相互扶助」の算式が成立しなくなる。。。
そんなことは厚生省(現厚生労働省)の官僚ならよく理解していたはずなのに、給与水準の上昇率と運用利回りの見込みを誤魔化す(としか思えない)ことで「長期的に見れば何とかなります」という姿勢で問題を先送り。

なぜ問題を先送りにするのか? 「政治的な判断」が介入しているのか?

人口の「右肩上がり」または最低でも現状維持、経済の右肩上がり、といった前提が成立していない現状においては、上記の算式を維持し続けることはできず、制度が崩壊することはほぼ確実と思えます。

ミスター年金 長妻大臣、何か対策を進めていらっしゃるんでしょうか?

年金記録の問題が軽いとは言いませんが、それよりももっと重要な課題があります。
少なくともこれから3年以内を目処に新たな年金制度についてのビジョンを打ち出していただきたいものです。それを出すのは、民主党政権ではないかもしれませんけどね。

(ベーシック・インカムとか色々な議論は飛び交っているものの、余り進捗があるように思えないので。。。)



ちなみに。。。年金記録問題。
私が年金業務を担当していた10数年前に既に発覚していました(笑)
私の勤めていた会社が保有している年金加入記録と、社会保険庁の管理する記録を突合したら、不一致がやたらと抽出されましたから。
(それについてどのような対策を打ったかは守秘義務もありますので、ここには書けませんけどね)
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# by blackbird2006 | 2010-05-04 22:39 | 政治


ビジネス系の話でありつつも、ゆるい感じで。


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